始まる前は色んなところでやれ黒歴史の再来だの悲観的な言われようだったし、今までのアニメ化ががっかりの連続なだけに私自身あまり期待してなかったわけだが、今回のファントムは結構いい出来なのではないかと思った。
確かにキャラデザは大きく違っていて、元々の面影を残しているキャラは少ない。アインの眼差しからは底知れぬ絶望感のようなものが消えているし、玲二の面影からは幼さが消えているし、クロウディアに至ってはもはや別人である。
だけどそれでいいと自分は思う。作ってる人がほとんど違っている以上、単なる原作のコピーではなく、ひとつのアニメとして出来が良ければ原作とは違ってしまってもいいのではないかと。
もっとも自分の場合、ファントムとの最初のコンタクトがゲーム版ではなく小説版だったので、自分の持つキャラクターの外見のイメージは厳密な意味では「原作通り」ではないからかもしれないが。何度も何度も読み返したのは小説版の方だったので、イメージの刷り込みとしては第一にテキストが、二番目に小説版の挿し絵が強い。というか逆に矢野口絵だと違和感を感じてしまう気がする。たとえば三章の最初でキャルと再会した時のキャルの顔アップのスチルなどは何の変哲も無い普通の顔にしか見えず、どう見ても「憎悪に燃え、殺意に凍えた一瞥」には見えなかったり。
とはいえ、既に原作のストーリーがある以上、そのイメージに引きずられずに見ることもまた不可能だと思う。原作を知っていると、ストーリーを再確認するだけになりがちになるのもまた避けられない。実際、1話あたりの演出には大仰で違和感を感じるところもあった。無駄な動きの無い死闘のはずが、隙や無駄な動きだらけのように見えたり。
特に原作通りのシーンというのは脳内でそのシーンが心行くまで再現されてしまっているため、映像で見たらガッカリすることも多い。サイスがアインにオイルマッサージしてオートマグ持たせて構えさせるシーンなどは、小説版で読んだ時にはそりゃもう重厚感漂う一枚の静止画のような図が脳内で完成してしまっていたので、3話でそのシーンを見た時はあっさりしすぎていて拍子抜けしてしまった。あとサイス邪魔でアインが見えな(ry
だがしかしアニメオリジナルの話やシーンなどは、そういったイメージにあまり左右されずに見ることができるし、展開も分からないのでわくわく感を持ったまま視聴することができる。そういった点では1話は微妙だったけど、逆に非常に秀逸だったのは5話だと思う。
渋いおっさんやら漢どもがいいキャラしていたし、会話シーンはどこを取っても燻し銀な雰囲気を醸し出していた。それも含めて雰囲気やら映画「ニキータ」みたいな雰囲気の漂う話だった。でも部屋の中に不自然にあるレンガの壁はどうかと思う。あとマフィアの息子の坊やちゃんはとても可愛かっただけに、最後ああなったのは泣ける(つД`)
一方原作通りの話でもイメージ通りに再現されている話もやっぱりあって、ショッピングモールでのマフィア暗殺の回なんかは良かった。車に乗り込むターゲットを襲撃するところでアインが突撃し玲二が護衛を次々と狙い撃つところは非常に再現度が高いし、ターゲットのボスが死を目前にしても最期まで毅然とした態度を崩さなかったところが描かれていたのは優れた演出だったと思う。最後に現れたサイスが思ったより地味だった気がするけど、これはこっちのイメージのしすぎのせいかと思う。しかし仰々しい羽根飾りの帽子とマントじゃなかったのか。それから玲二が車のドアを遮蔽物にして撃ってたのもどうかと思う。車のドアの鉄板は薄っぺらいので弾丸防げないんじゃないかと。
そういえば、アニメ化にあたって、Integrationの廉価版も出ているらしい。
プレイしたのはPS2版で、PC版は声が入ってないので敬遠していたけれど、Hシーンあるしこれを機会に買ってみるべきか。実はPS2版もコンプしたのはクロウディアルートだけで第3章で止まってたりするわけだが。そういやズボンの後ろにデザートイーグル挟んで学校行くのやってねえw
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