TRON:トロン感想記

2010年の冬に続編が出るというので予習がてら見てみました。

流石に古い映画なので出てくるコンピューターが非常にレトロ。端末の画面やコンピューターの内部世界は真っ黒背景で、端末に表示されるインターフェースはCUI。ここらへんは今リメイクされるとなるとどんな感じになるのかが気がかりである。キングダムハーツ2で出てきたトロンのワールドの背景デザインは黒ばっかりではなく、青を基調としたカラフルな背景になってたと思う。
Tron Legacyの予告映像なんかだと流線型で丸みを帯びた光沢のあるデザインになってたし、やっぱり今の時代のコンピューターに対するイメージに合わせて作られるんじゃないかなと思う。

キャラクターに関して思ったのが、出てくるプログラムがコンピューターのくせにえらく人間臭い奴だなということ。
トロンやヨーリを始めとする人間の姿をしているプログラム達も人間そのまんまで喜怒哀楽の感情があるし、人間であるフリンと当たり前に会話できるぐらいの感情の疎通もあるみたいだし。中の人の演技も人間の役を演じている時とあんまり変わらなかったのもその印象を担った一端かもしれない。

ラスボスであるMCPも非常に人間臭かった。人間の外見こそ持っていないものの、自分の能力を使って色んなプログラムを支配下に置いてうとか、なんか普通の人間の悪役と同じような発想の仕方をしているあたりが特に。同じプログラムであるサーク司令官に対して権力という概念を用いて使役してたし。普通に会話したり顔が出てきたりする疑似人格がある分、人間臭さに磨きがかかったのかもしれない。
あとそんなMCPに権力と消去のアメとムチをちらつかせられて苦労するサーク司令官が中間管理職っぽくて哀れでもあるw

そんな感じなので同じAIであるターミネーターとかスカイネットの尖兵に比べたら、なんだかプログラムのくせにやけに人間臭いなーという印象を受けたけど、見ているうちによく考えたらプログラムの擬人化なんだと思えてきた。ディズニーだしね。ディズニーにはよくあること。
そういやターミネーター1も1984年と同じぐらいの時期に作られた映画だったわけで、人々のコンピューターに対するイメージもトロンの1982年と大して変わらない頃だったろうし、この対比が興味深いなと思った。

あと見ている時に困ったのが、コンピューターの内部世界に入った後のフリンと擬人化プログラム達の見分けが全然付かないということだった。全体的に薄暗い画面の上に誰も彼も似たような外見しているもんだから、見ている最中にも今画面に映っているのがトロンなんだかフリンなんだか分からなくなることがしょっちゅうだった。そのせいでストーリーやら状況を把握するのが益々困難になってたような気がする。もーちょっと区別の付く外見に出来なかったんだろうか。