同人活動を始めた理由

女性向けでは特に顕著な傾向だが、よく「同人活動の理由は原作への愛」と言われている。
確かにそれは最も重要な要素であるとは思うが、それゆえキャラへの惚れ込みこそが同人活動の前提の全てであるかのように言われることがあるように思える。だが果たして本当にそれだけが最優先事項なのだろうか。

元々、私が二次SSを書き始めた理由というのは、ただそれが楽しそうだったからということに他ならない。
自分は投稿場所提供者として、ブラスレ801が出来た当初から付随するコミュニティに参加していた。だがしかし、それだけでは何とも言えない疎外感のようなものを感じていたのも確かである。彼らと同じ立場に、つまり自分も何らかの形で発表する立場になってこそ、初めて彼らと同じように楽しめるようになるのではないか。そう考えたのがきっかけである。
だから、自分の場合は、キャラ萌えが嵩じて二次創作に走ったとするのは違和感がある。キャラクターに対する愛着や萌えは、書き上げる段階で獲得したものだとも言えるからだ。書いてみる事で、自分の中にキャラ萌えの概念を取り入れたと言ってもいい。
だがそれはオリジナルへの愛着に欠けるということには成り得ないと思っている。順序が違っただけで、結果的にはキャラに対する萌えやら愛着やらを獲得しているからだ。

あるいは書くことで、自分が何に対して萌えているのかを確立したいのかもしれない。自分は元々、自発的に何かに対して萌える力が弱いため、特定のジャンルの二次にハマるときは、誰かの言った事、誰かの書いた物に引っ張られているだけで終わることも少なくない。しかし自発的に何かを書くということは、自分の中でもそれが何なのか確立している必要があるし、書くことで必然的に固まることになるからだ。