Making of 終わりなき悪夢

 
投稿したサイトの絵板にて、拙作「終わりなき悪夢」を受けて、「時々」の九条・ゲさんが作中シーンの素敵なイラストを描いてくれました。
そこから付随して更なるネタが広がり、投稿したサイトのチャットにて様々な妄想とネタが発生しました。それらを元に書き起こしたネタSSです。

九条・ゲさんのイラストについてはこちらからご覧いただけます。

※注意
他の人の意見も取り入れつつ、ネタを追求した結果、キャラ崩壊による重大なエラーが発生しました。
萌えません、萎えます。ご注意ください。




「カット!」
 監督であるザーギンのかけ声と共に、スタジオ内にカチンコの音が響き渡る。それを合図に天井の明かりがともされ、薄暗かったスタジオ内は明るさを取り戻した。
「はー、終わったー」
 ジョセフの上に跨っていたマレクがほっとしたように力を抜き、自分の尻穴奥深くまで咥え込んでいたジョセフの逸物を、ずぷっと音をたてて勢いよく引き抜いた。抜いた瞬間にマレクの穴から白濁した液がぼたぼたと落ちる。
「状況終了、っと」
「撮影完了だな」
 カメラを回していたアルとブラッドが、それぞれ覗き込んでいたファインダーから目を離す。
「ジョセフ、マレク、二人ともお疲れ様」
「大丈夫だったか?」
 そう言いながら大道具係のアマンダとヘルマンがジョセフの手足に巻きつけられた触手を取り除いてくれた。解放されたジョセフはようやく動けるようになって人心地がついたのか、ほっと一息ついて大きく伸びをすると、肩の関節を解きほぐすように腕を片方ずつ回す。
 照明係をしていたウォルフとメイフォンも、レフ版や機材を床において触手の後片付けを手伝いはじめた。しかし集めた触手を大きな鍋にしかみえない器に回収しているのは、一体どういうつもりだろうか。
「ジョセフ、途中で勃ち悪くなりすぎ。何回待たせたら気がすむの」
 ジョセフが身体をタオルで軽く拭いて、バスローブを着ていると、既にバスローブを着込んだマレクが怒ったような口調で詰問してくる。
「すまない、マレク」
「そのくせ無駄にデカいんだから。フェラのときにアゴは疲れるわ、お尻の穴は痛くなるわでもう大変だよ」
「…本当にすまなかった」
 ひたすら謝るジョセフに、マレクはやれやれといった風に首を振る。
「まったくもう、このままじゃ僕ガバガバになっちゃうよ」
「…責任は取る」
「責任? お嫁にでも取ってくれるの? ああそれともお婿の方?」
「まあまあマレク、あまり厳しく言ってやるものではないよ」
 いつの間にか近くに来ていたザーギンが、たしなめるように言った。
「二人ともご苦労様。マレクもジョセフもなかなかいい演技だった。ジョセフの最後の表情はとくに良かったよ。お陰でいい画が撮れた」
 そういわれても何故か嬉しくない。ジョセフの視界の端に映った演出係のベアトリスの表情に、切なさとも嫉妬ともつかない色が浮かんだように見えたのは気のせいだろうか。
「皆さん、触手鍋ができました。熱いうちに召し上がってください」
 メイフォンが先ほどの鍋をかき回しながら言った。鍋の中は何やら名状し難い赤いもので満たされているようだ。
「おっ、待ってました」
 アルが嬉々とした声で応え、ブラッドが口笛を吹く。それを見たジョセフが怪訝そうに首を傾げた。
「触手鍋…?」
「知らないのジョセフ? 触手はね、煮て食べると美味しいんだよ。ニホンじゃ昔から蛸と一緒に醤油で煮て食べるんだってさ。はい、これジョセフの分」
 メイフォンから二人分の深皿とスプーンを受け取ったマレクが、ジョセフに片方を手渡しながら答えた。受け取った皿の中には先ほどの撮影で使ったばかりの触手が、真っ赤なスープに浸って湯気を立てている。
「食べるのか…? これを」
「そうだよ。みんなもう食べてるじゃない」
 見れば、他のスタッフは既に皿を受け取って美味しそうに舌鼓を打っている。
「ヘルマン、そんなに急いで食べると喉につっかえるわよ」
 深皿の中身をかき込むようにして、ガツガツと食べるヘルマンをアマンダがたしなめていた。言ったその端から喉に詰まらせてむせ、音響効果係のゲルトに笑われている。
「………」
 再びジョセフは無言で深皿の中を見た。血のように赤い触手の形は、控えめに言ってどう見てもキノコ、ありていに言えば男性器にしか見えない。その連想がジョセフを逡巡させていた。
 (残したくないが、食べたくない…)
「どうしたの? 食べないの?」
 ジョセフの逡巡をよそに、既に食べ始めていたマレクが、怪訝そうな声で問いかける。そして無邪気そのものの、だが有無を言わせない声で言った。
「ジョセフ、残しちゃ駄目だよ。好き嫌いはいけないんだからさ!」
 仕方がない。どんなに卑猥な形をしていようと、食べ物を粗末にするわけにはいかない。そう腹をくくったジョセフは、半ば諦めにも似た心境で皿の中身を口に運び始めた。

Fin.

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