ジョセフとザーギン、空白の十年間の謎

発表から延々と発売延期が繰り返されていたブラスレイター ビジュアルファンブック レコード・オブ・マグナスが漸く発売された。
内容としては、絵やキャラ紹介は恩田さんの絵が中心となっていたがあまり真新しいものはなく、版権絵にもコンセプトワークスの時と重複するものの方が多かった。
むしろ今回多くページ数を割かれていたのは、板野監督を初めとするスタッフやら中の人へのインタビューだった。板野監督を始めとして、どのインタビューでもジョセフについて言及されているところが多く、如何なる主人公として描こうとしたかについて多くの紙面が割かれていた。
ジョセフについてはただ力を振るうだけのヒーローではない主人公にしたかった事、過去編で力は弱い者に振るわれる事を身を以て知ったからこそ今のジョセフが在る事、等が言及されていた。

作る側が目指していたジョセフ像については理解した。だがインタビューを読んでもどうしても腑に落ちない点が残る。それは過去編の元気で明るいジョセフが、どうやって今の無口で陰鬱なジョセフになったのか、その経緯がどうしても見えてこないということである。
過去編で描かれていた一連の悲劇が今のジョセフの人格を形成したということは説明された。だがしかし、性格面での現在と過去との同一性がびっくりするほど見つからないのである。ジョセフの思想やら理念においてはブレがないとは思うが、正反対というか、表層部分の人格が変わりすぎて、同一人物とは思えないのである。ラストシーンでブラスレイターになった時でさえ、今のジョセフの陰鬱さは影も形もなかったような気がする。15歳の時点でのジョセフが陰気さの欠片もないだけに、過去の空白を埋めるどころか空白の部分を増やしてしまっている気がする。子ジョセフは悲壮感はあっても元気ハツラツなので余計謎が増えてるというか何というか。
松風氏へのインタビューでも「ジョセフは感情の枯れちゃった人間だから」という記述がいくつかあったし、それは納得できたのだけど、枯れてしまった経緯というものが全く見えてこない。なにせ15歳までは元気でハキハキした子だったのに、そっから10年の間にどうやって今の無口ジョセフになったのかの変化のプロセスがきれいさっぱりカットされてしまっているのだ。なので15歳のジョセフを見ても今のジョセフの姿と微妙に重ならない気がして仕方がない。

謎といえば、過去編ラストでヴィクターにガルムを渡されてそのまま放流されるというのも不自然である。あの時点では希少な融合体で、しかもザーギンが失踪したとあってはツヴェルフの自由になる唯一のサンプルである。そんな貴重なサンプルに「これでザーギンを追え!」と唐突に出てきたガルムを与えて野に放った上、あまつさえザーギンを追わせるというのは非常に不自然ではないだろうか。
不自然といえば突然出てきたあのガルムも不自然である。まるで最初から用意されていたかのようにポンと出されていたが、あんな化け物バイク一体何の為に作ってたんだとかどっから出したんだとか融合体になっちゃったとはいえ巻き込まれただけでツヴェルフとは縁もゆかりもない移民の子にポンと与えていいものなのかとか、突っ込みどころが尽きない。

物凄く強引な解釈として、ヴィクターにガルムを与えられて放流されたのはザーギン失踪から何ヶ月も後だった、という可能性を考えてみた。話の中ではザーギンの血液で感染した翌朝にガルムを渡されたように描かれてはいるが、実はその前にジョセフはツヴェルフの研究施設に連行されており、身体の隅々まで調べられ弄くり回され、数ヶ月に渡って実験サンプルとしてデータを取られた後だったという説である。一通りデータを取りつくしたので、後は用済みとばかりに発信器と監視役を兼ねたAIを搭載したバイクを与えて野に放ち、行方不明になっていたザーギンをおびき寄せる為の撒き餌として利用したのだとすれば、なんとか辻褄は合うのではないか。

貴重な融合体をみすみす手放すことの不自然さは、実は生きていたサーシャの差し金があったとすれば説明がつく。ツヴェルフによって蘇生した後で、弟を解放してやりたい一心でザーギン追跡の為という名目の上で監視を付け、一旦ツヴェルフから解放されるように仕向けたとするのはどうだろうか。
まあ、ガルムを前にしたジョセフのシャツが破れたまま&背景変わってないので、捏造にも程があるとは思うけど。

いずれにせよ、ジョセフとザーギンが10年間も何をやっていたのか、色々と謎は残されたままである。ザーギンに関してはベアトリス&ヴァイス拾ったり裏で暗躍したりと色々やっていたようだが、その合間に追ってくるジョセフを翻弄したりニラニラしながら影から見守っていたんだろうかとか、ツヴェルフは10年も放ったらかして何をやっていたんだろうかとか、疑問と妄想は尽きない。

過去編の大学に関する考察と妄想

ブラスレ本、一時はどうなることかと思ったが、どうやら書きたい話の構造が見えてきた。このまま妄想力が一人歩きしてくれれば何とか育ちそうだ。

過去編は色々突っ込みどころが多い回なので、原作に準拠しようとしたらとんでもない事になりそうな部分が多すぎるが、それを逆手に取って捏造やら独自設定やらを積み重ねて行けば面白い事になりそうだ。
ザーギンとサーシャの在籍していた大学は、ツヴェルフの息のかかった機関であることは本編でも仄めかされていた。あるいは、変貌する直前のザーギンがヴィクターに連れられて謎の仰々しい扉に入っていったところから見て、表向きは大学に偽装されたツヴェルフの研究機関が隠されているのか。そういやヴィクターはあのとき「所長」と呼ばれていたけど、何の所長だったんだろうか。
地上部分は大学だけど、地下深くにツヴェルフの研究機関が隠されてたりして。って、バイオハザードかい。映画版一作目の。ザーギンが入っていった扉とか、一度死んだサーシャがサイボーグとなって蘇生させられたのもそれで説明がつく。
あと、14話でザーギンやサーシャが収容された病院は大学に付属する病院と見ていいんだろうか。それが一番自然な気がするし。ほかにも武装した警備員が居たこと、ガルムがすぐに出てきたことを見れば、ただの大学でなかった可能性は高い。
…いや、あのときのガルムは色々と唐突というか不自然なとこ多いけどさ。「これでザーギンを追え」とか、一体どっから出したのとか。

けど今はあの町と大学はどうなってるのだろうか。
ジョセフの育った教会は過去編で焼き討ちにあった後、異民も町の方に移ってたから現在は無人だったようだけど、大学にあったツヴェルフの研究機関はどうなってるんだろう。
既に引き払った後なのか、あるいは現在も密かに研究を続けているのか。

マレクとヨハンの立場が逆だったら

もし4話においてマレクとヨハンの立場が逆だったらという妄想。電話で呼び出されたのがヨハンの方で、いじめっ子たちに命じられて相手をボコったのがマレクの方だったら。

マレクは最初、ヨハンのことを泣きながら殴るだろうけど、いじめっ子たちのグループに入れてもらった後は、率先して弱者に対する攻撃行動を取りそうだと思った。いじめというのはより弱い者へと連鎖するものであるからして、今まで自分が受けてきた仕打ちを返したいと思っても、返す対象が加害者ではなく、より弱い者へ向く可能性があることを考えると。
最初は保身のために仕方なくやってることで、本人にもそういう意識があったはずなのに、そのうちいじめっ子達の方がちょっと引くぐらい率先して悪いことするようになりそうだ。
んでヨハンが彼らに運悪く出くわしちゃったりしたとき、今度はマレクは心から愉しそうにヨハンを殴ったり。その場合、ヨハンは親友の豹変と裏切られて一人ぼっちになっちゃったショックから首を括ることになるのだろう。

けどマレクは移民の子であるから、いじめっ子たちからは表向きは仲間扱いされても、内心では同じ人間として見られてないと思う。それでとんでもなく悪い事態になったとき、彼らは手のひらを返したように全ての責任マレクになすりつけて体のいい隠れ蓑にする可能性が高いだろうなと。そしてマレクが気づいた時にはもう取り返しのつかないことになっていた、と。

あるいはヨハンの方がベアトリスに血を渡されてデモ化、それでいじめっ子たちは殺されて、マレクも殺されかけたところを、ヨハンはXATかジョセフに粛清されて、そこではじめてマレクは己の過ちに気付く、というシナリオも妄想した。
その場合、ヨハンはあんまり位階高くなさそうだ。マシューやジルと同程度で。んで、泣いているような雄たけびを上げながら攻撃しそうだと思った。

…あれ? ビッチ萌え転じて非行少年萌えのつもりだったのに、途中からえらく救いの無い話になっちまった。
何をどこで間違えたんだろう?

拍手レス&ジョセフの妊娠に関する妄想

拍手レス、今までの分もBlogに移しました。今度からはこっちでやっていきます。

[2008/10/07 (Tue) 15:05:09]
ほんとにザーギンとの子供が出来ると信じます。

ぶはは! そりゃ最高だ!

なんかこう、ザーギン様ならジョセフの体を一部作り替えて、男でも妊娠出来るようにするぐらい当たり前のように出来そうだから困る。中で出した時にジョセフの身体を改変する何かも一緒に出してて。そんな沙耶みたいな能力、あるのかどうか分からないけど。

なんかSF小説の「グアルディア」でも男が妊娠するとこあったなあ。
人外の主人公JDが、自分の体を作り替えて腹腔内に子宮作って、他人のDNA取り込んで妊娠していた。女体化とかそういうのではなく、一時的に子宮だけ作ったみたいな。
JDは「産道は作らなかったから、自分で腹裂いて生んだ」って言ってたけど、ザーギン様なら子宮と一緒に産道も作ってくれてるに違いないと思ってる。更にザーギン様は元医者だから、生まれてくる子を取り上げるのも問題無さそうだ。
あと、ザーギンは大きくなったジョセフのお腹を愛しげに撫でながら、生まれるまで側についていそうだ。ジョセフは腹が重い&本来なら無理な妊娠で体力消耗しきって寝太郎状態。そして胎動しているのは何だか固そうな生き物で、生まれてくるのは人の姿をしておらず、生まれてすぐに動き回れるようになる。
…うーむ、ハートフルなんだかSFホラーなんだか分からんぞ。

それはともかくとして、グアルディアは人体を別の生き物のように変身させる生体甲冑(アルマドゥラ)という生物兵器がメインテーマになってるから、ブラスレイター好きには是非ともお薦めしたい一冊。いっぺんそれについても語りたい。

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ジョセフ「ザーギンらめぇ!俺、妊娠しちゃううっ!」

昨日アップした小説「獣の蜜月」について。

以前、はなげさんに「一度リレーSSやろう!」というお誘いを受けていたので、彼女の書いたSSの続きになるような形で書かせてもらいました。ちゃんとあれで続きらしくなってるかな。
ザーギンの触手は、ブラスレイター形態の時に背中から生えてるアレです。人間形態で触手だけ出せるかどうかは疑問ですが。っていうかあれ、20話で尻から出てきた変な触手と同じだろうか。何で尻から出てくるんだろう…
途中で「獣」らしさを入れたらエロくなるんじゃないかと気付いたので、「動物の交尾のようなエロ」にしてみました。ジョセフに発情期の牝の犬猫みたいな尻を高く上げるようなポーズ取らせたり、ザーギンにも四つん這いでジョセフ押さえつけてもらったり。それで場所も必然的に森の中に。
最後の孕む云々は元のSSを受けて書いていますが、まさか孕みネタに萌える日が来るとは思いもよらなかったぜ。実際に妊娠出産できるはずもないのに、「らめぇ妊娠しちゃうう」ってのはわりと好きかもしれないということに気付いた今日この頃。本当に孕んだり生んじゃったりしたらギャグにしかならないのでやらないけど。だけど現在verの銀様なら本当に孕ませてしまいそうで困るw

ところで、「らめぇ妊娠しちゃうう」とか言ったり、うっかり妊娠しちゃってボテ腹になるのは子ジョセフの方がいいと思う。大人ジョセフより。男がどうやって妊娠するかは聞かないでほしい。
でなきゃ出されすぎて孕んだようなボテ腹になったとか。眼鏡ザーギンと一晩でどんだけ出せるか挑戦した結果として。
いやでも物理的にそれでボテ腹は無理がありすぎるか。というかその前にザーギンがひからびるな。あの時まだ人間だし。

それにしても、あの話の後で銀様がどういう理屈でジョセフ孕ませるのかというとこまで大真面目に考えてたら、何故かどうやってもB級ホラーにしかならない不思議。小説版のパラサイト・イヴみたいに、胎内に植え付けたザーギン種が物凄い短時間で大きくなって、映画の「スピーシーズ種の起源」みたいな形状の小さいデモニアックがジョセフの腹食い破って出てくるとか。どう見てもホラー映画です。本当にありがとうございました。

ジョセフの処女喪失時期に関する考察

にしてもザーギンと初めて出会った時点で、やっぱジョセフって非処女だったんだろうか。
13話の3人の子に輪姦されてるか、あるいは教会の子達の糊口を凌ぐためにミュラー神父には内緒で身体を売っていたかで。信じられないような安い値段だったと妄想。
いや、非処女でも萌えるつーか、むしろその方が萌えるんだけどね。それまでは痛いの我慢するだけだったのが、ザーギンによって初めて気持ちいいHを教えてもらったつーのでも萌える。んで優しくしてくれるザーギンになついた結果、元々の素質もあってか、すっかりいやらしい子に開発されちゃったとか。

でも前の方はたぶん童貞じゃないかとも思う。スノウとかマレクには手出しそびれてそうだし。でも、豹変したザーギンに襲い受けされて前の方喰われてる可能性もあるか。

つーかうちのサイトのジョセフ、夢の中でしか攻めやってないことに気がついた。しかも襲われてばっかり。

ジョセフとマレクの寝たきり防止対策案

15話以降におけるジョセフの暴走状態と寝太郎状態のいったりきたり、あれを防ぐためにはどうすればよかったかを妄想してみた。

思えば後半でジョセフがツヴェルフに散々利用されて暴走するの、あれは主人公の役割じゃなかった気がする。というより、どうもジョセフのキャラを考えると向いていなかった気がする。
ツヴェルフに踊らされてバーサーカーになる役割のキャラが必要だったというのなら、ジョセフじゃない、他の奴にやらせても良かった気がする。例えばそう、マレクとか。
マレクがツヴェルフに回収された後、叩き起こされてバーサーカーの力を注入されて、んでそれを過ちを償うためだとむりやり自分を納得させて受け入れてしまう。そして結果として暴走して、それをジョセフが止めようとしたのなら、ジョセフも「暴走マレクを止める」という役割が出来ることで寝太郎化は防げたろうし、マレクとて本編の半分を寝たきりで過ごすことは防げたのでは。

最終的に過ちに気付いて姉共々ツヴェルフから離脱してから(あるいはアマンダに強引に連れて行かれて)、自分の役割を悟ってザーギンの元に向かったというのなら、彼の成長もより一層際立たせることができるだろうし。
23話のマレクはかっこ良かったけど、22話で復活する過程がそれまで放ったらかしにされてただけに、どうも唐突な感じが拭えなかった気がするから。最初の過ちの後ずっと寝てたままで、急に復活させられて急成長するよりは、そのぐらいの紆余曲折を経た方が成長している感じを出せたのではなかろうか。

…あれ? これじゃまるでマレクが主人公みたいじゃないか。群像劇だから彼も主人公の一人って解釈でいいのかもしれないけど。
そもそもマレクをジョセフの代わりに暴走させたら、ジョセフはマレクを止めようとする以上の役割を果たせなくて、結局脇役化しそうな気がする。確かにこりゃ動かすの難しいわ。この主人公。
成長する過程を描くのに向かないキャラだった、というのが致命的だったんだろうか。

っていうかジョセフも寝てるとこをアマンダに運ばれるんじゃなくて、自分の意思でアマンダについていくとかしてツヴェルフから離脱してたんなら、一度はバーサーカーになってもちゃんと主人公らしくできて寝太郎状態も防げたんじゃないのか。んでヘルマンと衝突したり(というか一方的に衝突されたり)共闘したりも出来たかもしれない。