NITRO SUPER SONIC 10th Anniversary WEB LIVE

6月27日にニコニコ生放送でライブ上映されたNITRO SUPER SONIC 10th AnniversaryのWEB LIVEを見た。
ライブは大変そうなのでこんな機会でもなければ実際に行く事は無かったと思われるが、家に居ながらにしてライブを見る事が出来るとは大変便利な時代になったものである。
内容が主に私の興味のある対象に絞られてしまう事と、途中で離席を余儀なくされたりすることもあった為、例によって偏りまくりなレビューではあるがご容赦を。

開始予定時間は15:00だったが、機材にトラブルがあったとのことで始まったのは16:00になってからだった。その間にニコニコの方ではニトロ最狂広報のジョイまっくす氏が楽屋から楽屋へと駆け巡り、出演者の人に突撃をかまして間を持たせていた。そのため終了時間は大幅に遅れて実に23:30を過ぎ、中継も先ほど終わったばかりである。
コメントはできないようになっていたが、開始前や途中の休憩時には一時的に解禁され、視聴者が自由にコメントを書き込む事が出来ていた。

内容としては歌とトークと新作発表。曲はニトロプラスとキラルとブラスレイターから、ほとんど全ての作品から2曲ずつぐらい入っていたような気がする。
新作発表があったのは装甲悪鬼村正とSteins;Gate。プロモーションPVと曲が流れており、ライブ最後の大トリには小野正利氏による村正の主題歌で締められた。曰くまだ作成中の曲らしく、終了後の打ち上げで小野氏が「すみません、歌詞間違えましたー」と謝っていたのに対してジョイまっくす氏が「むしろ小野さんの間違えた歌詞に変更するぐらいで!」のような事を言っていた。
それから沙耶の唄が海外進出するという発表もあった。アメコミから出版されるそうで、イラストも一枚発表されたが絵柄が違いすぎるというか面影を留めていなかった。というか沙耶が幼女ですらないし、郁紀も目にしただけでSAN値が削られそうな濃い絵柄だった。ニトダイから買えるようになるらしいが、絵柄はともかくアメコミだとどんな表現のされ方をするのか気になるところなので、恐いもの見たさで見てみたい気もする。

曲の合間合間には、その作品のショートドラマがゲームの画像付きで流されていたが、それらの多くはライブのためにライターの方が書き下ろして収録したものだそうな。
咎狗の血ではアキラとケイスケが処刑人から逃げている寸劇の後、処刑人の中の人たちがステージ上に登場するという形式のショートドラマや、キリグンが初めて会ったというエピソードが上映された。沙耶の唄だと開花エンドの沙耶と郁紀の台詞の後で井戸エンドの耕司のモノローグ(書き下ろし)、月カルのロメオ&アンナvsヴェドゴニアの惣太(変身後)みたいな素敵なコラボもあった。デモンベインの大十字九郎&アル vs マスターテリオン&エセルドレーダも非常に良かった。
ブラスレでもデタラメな残像とか歌うだろうし、何か流れるといいなーと思っていたけど、予想を遥かに上回るものだった。

最初にブラスレイターの映像と共に流れたのはザーギンの「この世界は滅ぼさなきゃいけないのに、どうして君は僕のところに来ない」みたいな問いに対し、ジョセフがそれに対し「人間は罪深いけど生きる意味はある」みたいな内容の会話をするというもの。要約この上ないこと申し訳ないが、一回目はまさかの衝撃のあまり会話の内容はほとんど吹っ飛んでしまっている。しかもそれだけでは終わらなかった。
二回目は過去編の映像の切り貼りと共に、眼鏡ザーギンと15歳ジョセフが「雨やまないねー」「僕が悲しむ前に君やサーシャが悲しい顔をするから、僕が悲しんでる暇なんかないよ」みたいな会話をするというものだった。正直、これだけでも既にザージョセ最強燃料である。現在のザージョセに過去編眼鏡とショタである。これを燃料と言わずして何と言おう。ましてや本編中の過去編は情報量が極端に少ないため尚更である。録音の準備だけでもしておかなかったのをこの時ほど後悔したことはない。というかニトロは一体どんな層を狙うつもりだったのかw
しかしこの書き下ろしショートドラマ、一体誰が書いたのだろうか。過去編シナリオは太田さんだが、小林さんの可能性もあるし、大穴で虚淵さんという可能性もあるかもしれない。つーかニトロ社内の人だしそっちの可能性の方が高いかもしれない。

ブラスレの為だけにライブのDVDないしCDを買いそうな勢いではあるが、果たして発売されるのだろうか? いや音だけでもいいから本当に頼みますニトロさん。他のショートドラマも非常に良かったし、今回も出してほしいところ。

ノベルゲームのシナリオ作成技法

ノベルゲームのシナリオ作成技法」の続刊が出ていた。去年の12月に出たものらしい。前作が非常にためになる内容だったので、届くのが楽しみである。
この人の本、いわゆる小説の書き方ノウハウ本の中では一番実用性が高い本なんじゃないかと思う。
従来のノウハウ本のような抽象論だけに終わらず、作る上での効率的なプロセスを具体的に書いているところは「技術書」としては非常にポイント高い。
PCゲームのシナリオの書き方なので、ゲームのサウンドとかスクリプト関連のところはあんまり関係なかったりするけれど、アイディアのまとめ方とか効果的な表現の仕方とかは小説にも十分通じるところではないかと思う。

作者の涼本悠一氏はCLANNADやAirで有名なkeyのライターだったそうで、そこで培ったという美少女ゲーム作りの方針なんかを見ていると、やっぱりニトロはエロゲー屋としてはかなり異色なんだなあと改めて思った。話の組み立て方とか雰囲気なんかが映画のシナリオに近いものがあるし、地の文もしっかりした情景描写と文体が多いし。
というかいっぺん、虚淵氏あたりにもこういうノウハウ本作ってほしい。「ノベルゲームのシナリオ作成技法 ニトロプラス版」とか出たら絶対買う。

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CHAOS;HEAD終わったー

やー面白かった。
メインのスタッフが5bpということもあって、いつものニトロとはだいぶ雰囲気違うけど、これはこれでなかなか新鮮。話の進め方と伏線の回収の仕方はかなり巧かった。
ただ、うまくまとまりすぎてる分、予定調和が過ぎてて強烈に引きつけられるところが少なかった気もする。キャラクターにしてもそんなに強烈にハマれそうなところが薄かった気がするのが残念といえば残念。

攻略サイト片手に進めたところ、Aルートのほかに、一回クリアしたら進めるBルートもあるようで、それも含めてやってみた。
1回目のルートで主な謎は大体明らかにされてたと思うけど、ニュージェネ事件のうち真相がはっきりしたのが2つだけ。
Bルートは終わりの方までの展開は大体Aルートと同じだけど、最後の方の展開が少しだけ違ってて、その中で残りのニュージェネ事件の真相も明らかになるというもの。
それで謎も大体全部片付いて話もきれいにまとまった……と思ったら、Bルートの結末はどう見てもバッドエンドです。本当にありがとうございました。正直、「そりゃねーよ」と思った。救いがなさ過ぎるという意味で。

主人公はヲタくさい言動と2ch語満載なモノローグはかなりアレだが、再現度が高く非常にナチュラルだったので、却ってすんなり納得できてしまった。電車男のドラマみたいにイライラするような不自然さもなかったし。
しかしタク、キモヲタキモヲタ言ってる割に、外見の見た目はそんな悪くないように見えた。言動と性格は悪い意味でリアルすぎて可愛くないけど。キャラデザの仕様といえば仕様なのか。

「他人と共有することによって妄想を現実とする」という設定については、涼宮ハルヒよりは牧野修の「MOUSE」の方に近いような気がした。これにも妄想(幻覚)で作られた人間とか、同調することで幻覚を共有するとか、似たような素材が使われてるけど、料理の仕方が全然違うので印象も違う。MOUSEの方が病んでる感じが強くて好きだったりするけど。

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ブラスレイター コンセプトワークス

Niθ絵満載で眼福でした。表紙絵もNiθ、設定資料もたーくさんのいっぱい。

マレクが「本作唯一の萌え担当」とか書かれててワロタ。でもやっぱかわいい。Niθマレクかわいい。
というかNiθ絵だと全体的に萌え〜な方向に行ってる気がします。アマンダとかサーシャさんとかメイフォンとかだと、かっこいいというより可愛いになる不思議。
開発中コードは「羊りんご」だったとか。マレクレイターが羊みたいな角になったのはあの髪型のせいらしい。
なんか本編中じゃむっつりした表情多いけど、キャラ設定ページの絵とか、ラクガキページの腕だけ変身中とか、可愛い路線で描かれてるのがわりとある気がする。
中期プロットではマレクがもっとジョセフに病的に傾倒していく予定だったらしい。DVD4巻の堕ちマレクはその名残とか。

……何故だ。どうしてそれを本編でやらなかった、ごぉぉんぞぉぉぉぉorz

ジョセフに病的なまでに傾倒してヤンデレ化とか、美味しすぎるだろ常識的に考えて。
病的に傾倒するって何やる予定だったのか気になって気になってしょうがないけれど、少なくともジョセフの迷走と寝太郎はかなーり防げたであろうと思われるのに、何故後半眠らせたまんまだったんだ。それだけが悔やまれてしょうがない。

あと、ラクガキの中にマレクレイターセカンドというのもあって、19歳マレクの変身体は色々な事を経験して成長したから本編中のとは違うんだそうな。
あれか、本編中のマレクレイターが何か妙に不細工に感じたのはやっぱり成長途中だったからなのか。
セカンドverの方が正統派っぽい格好良さで好み。ジョセフっぽさも入ってるし。続編出たら主人公やれそうなデザインでした。

他にも神父ジョセフ(眼鏡つき)だとか、「エロゲー不法所持で19歳までムショ暮らしだが負けるなマレク」とか「ナノマシン感染はザー汁をあんなことやこんなことして飲ませちゃうんだよ」という公式自重しろなコメントとか、大人エレアが紅白の最後の方に出てそうなデザインだったり、ふんどし一丁でポージングな隊長が(悪い意味で)衝撃的だったり、ヘルマンが松田優作と西博士入ってるとか、もういっぱいありすぎてまとめられない気がしてきたのでこのへんで終了。

animage ORIGINALにブラスレイター特集

アニメージュオリジナルにBLASSREITER特集が載っていた。
内容は板野監督インタビューとNiθ氏によるキャラクターの設定画、石渡氏によるメカニックの設定画。

板野監督のインタビューによると、後半のジョセフが首輪付きで暴走するようになったのは、前半でマレクを救えなかったことへの負い目から逃れたかったからだそうな。
それを考えたらあの後半の迷走っぷりにも納得がいく。マレクの幻影がやけに鬼畜なのは救えなかった事に対する自責の念というのはわりと既出な気がするけど、暴走の理由が逃避という発想は無かった。なんであんなに唯々諾々とツヴェルフの飼い犬に成り下がるかがやっと分かった。
だとしたら、ジョセフは逃避から向き直ってちゃんとした方向に進むというのが妥当な進み方だったのかもしれない。が、実際には正しい方向に進む所は描かれる事なく最後ギリギリで起きて「俺はお前を凌駕した」。
いくらなんでもそりゃないよと改めて言いたい。迷走から立ち直った後のそこが大事なんじゃないのか。それが描かれていないのが非常に残念である。尺が足りなかったのか、迷走期間を引っ張りすぎたせいなのか。

ジョセフの資料は初期設定らしきNiθ画が何点か。
今とはびみょーに違うけど、全体的にはそう変わらない。影のある色っぽさが増し増しで俺によし。
ブラスレイターverのラフスケッチもあって、今より細くてあんまり重厚な感じがしなかった。ゴテゴテしていないせいかもしれない。
過去編ジョセフの板野監督指示書も載っていて、「☆10才のジョセフエコロジーファッション」とか「この頃のジョセフには輝くような笑顔があった!」みたいなタイトルが付けられていて吹いた。
あのシャツは麻袋を縫って作ったとか、靴は破れた古靴をガムテープで修理して使っていたらしい。

マレクは19歳verのみ載っていたけど、Niθ絵の方がより男らしくなっている気がする。他にもアマンダやゲルトの設定画も何点かあった。全員集合のNiθ絵とか。
一番凄かったのがザーギンで、黒スーツに赤マントに眼帯に煙草の悪人顔。決定稿のさわやかさんとはもはや別人。設定段階では典型的な悪人のようなキャラ設定だったようだけど、それにしても何度見ても吹いてしまう。厨二病通り越して恥ずかしすぎるw
今のザーギンも相当ぶっとんだファッションセンスではあるけれど(スーツに裸足とか)、それに輪をかけて凄い。
このザーギンの設定だけでも読む価値はあると思う。っていうか確実に吹きます。立ち読みしたり人前で読む時には、うっかり変な顔したり挙動不審にならないようにお気をつけて。

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